赤信号で車はゆっくり止まる
「空羽ちゃん」
伊織くんは真剣な表情で
私を見つめた
「空羽ちゃんも、もう気がついてると思うけど……」
え?
「オレは空羽ちゃんの事が……
なんて言うか、気になる………」
………ドキドキドキドキ
伊織くんの言葉を聞く度に
胸が どんどん高鳴って行く
「……空羽ちゃんを好きになってもいい?」
きゅう…………
伊織くんの視線に胸が苦しい
「え………と………あの……」
うつむいて答えに詰まると
信号が青に変わったみたいで
車が走り出す
「彼氏いるの?」
低い声で伊織くんが訊く
「ううん!いないよ」
慌てて首を横に振る
「好きな人とかは?」
「い……いないよ……」
「だったら、ゆっくりでいいからオレの事を考えて欲しい。オレは空羽ちゃんと付き合いたいから」
い……伊織くん…………