気にしないでいいって
伊織くんが言うけど


自分の子供がどんな人と出かけるのか伊音くんのお母さんは心配なんじゃないかな………



いくら伊織くんが一緒でも


気になって当たり前なのかも




伊音くんをチャイルドシートに乗せ終わった伊織くんに




「伊織くんが迷惑ではないなら
ちゃんと、ご挨拶したいな」



そう話した



「え?」



伊織くんは目を見開いた



「だって、こうして伊音くんと仲良くさせてもらってるし、ちゃんとご挨拶するべきだと……私は思うんだけど……」



伊織くんは迷惑かも知れない


そう思うと語尾がとても小さな声になってうつむいてしまった




しばらくの沈黙のあと



「そっか。ありがとう」



伊織くんは少し笑って



「じゃ、伊音の家に行こうか」



車に乗り、新堂書店に向かう



車が走り出してすぐ


やっぱり伊音くんはすぅすぅ眠ってしまった