「どうして、止めないの?」
『止めてほしいわけ?』
2人の間に沈黙が流れた。
しばらくしてその沈黙を破ったのは絢音だった。
「止めてほしいのかな、私?う-ん、ちょっと違うな。
ずっと夢だった、夢よりも遠い憧れだったから
自分がいざその道に進むって真剣に考えてなかったんだと思うの。
だから正直不安で、怖い。
SONG OF SKYのみんながどれだけすごいか改めて実感して
自分があの舞台に立つって考えたら、弱気になっちゃう。」
だから…絢音はそう言って深呼吸した。
「ごめん、今まだ頭の中ぐちゃぐちゃで上手く言葉に出来そうにないや。」
『いいじゃん。上手く話そうとしなくたって。
話せよ。どんな言葉でも気持でも受け止めるから。』
絢音は俺の言葉に驚いたように目を見開くと
ぐちゃぐちゃになったパーツを繋ぎ合わせるように語り始めた。
不安なこと
自信がないこと
でも音楽が好きで音楽を通して伝えたいことがたくさんあること
俺らからどう思われるのか考えてしまっていたこと
そして…
和葉のことが頭を過ってしまうこと