「それで?!あやちゃん何て返事したの?!」
陽がそう言ってテーブルから身を乗り出した。
翔のマンションにあるガラス張りのテーブルがその衝動でガタっと震える。
「そりゃあ、断るわけねーだろ。
あやの夢は歌手になることなんだろ?」
翔は黒い大きなソファーに深く腰掛け、膝を組み直しながらそう言った。
あの電話の翌日。
俺はいつもの様に仕事を終え、翔の家で昨日の出来事について説明していた。
『...。』
「「で!どうなんだよ!!」」
2人の声がまるでひとつの音のように部屋中に響いた。
『“考えさせてください。”』
俺は絢音の言葉をそのまま代弁した。
それがアイツの答えだった。
「考えさせてくださいか。」
「夢が叶うかもしれないのに、どうしてどうしてそんな返事したのかな?」
まさか...と、俺に視線を向けた陽の瞳はどこか悲しそうに見えた。
『あぁ。アイツは違うと言っていたが、少なくとも俺たちの存在が影響しているはずだ。』
俺たちと関わったことで華やかな事ばかりじゃない。楽しいことばかりじゃない部分を知ってしまった。
そんなの何やったって一緒かもしれないけど。本気だからこそ、立ち止まって本当の自分の気持ちを確認したかったのだろう。だから安易に承諾できなかったんだと思う。
そして、アーティストであったが故に不幸な運命を背負った俺の母、“和葉”の存在があることも想像できた。
陽がそう言ってテーブルから身を乗り出した。
翔のマンションにあるガラス張りのテーブルがその衝動でガタっと震える。
「そりゃあ、断るわけねーだろ。
あやの夢は歌手になることなんだろ?」
翔は黒い大きなソファーに深く腰掛け、膝を組み直しながらそう言った。
あの電話の翌日。
俺はいつもの様に仕事を終え、翔の家で昨日の出来事について説明していた。
『...。』
「「で!どうなんだよ!!」」
2人の声がまるでひとつの音のように部屋中に響いた。
『“考えさせてください。”』
俺は絢音の言葉をそのまま代弁した。
それがアイツの答えだった。
「考えさせてくださいか。」
「夢が叶うかもしれないのに、どうしてどうしてそんな返事したのかな?」
まさか...と、俺に視線を向けた陽の瞳はどこか悲しそうに見えた。
『あぁ。アイツは違うと言っていたが、少なくとも俺たちの存在が影響しているはずだ。』
俺たちと関わったことで華やかな事ばかりじゃない。楽しいことばかりじゃない部分を知ってしまった。
そんなの何やったって一緒かもしれないけど。本気だからこそ、立ち止まって本当の自分の気持ちを確認したかったのだろう。だから安易に承諾できなかったんだと思う。
そして、アーティストであったが故に不幸な運命を背負った俺の母、“和葉”の存在があることも想像できた。