「空って案外ネガティブだよな」


翔はそう言って顔を歪めた


「うるせーよ」


「でもまあ…無理だよな
そんなこと思うなってのも…」



翔の言葉が静かな部屋に妙に大きく
響き渡ったようなそんな気がした



俺は頷くことも否定することもなく
手に持ったグラスを置いた



カタンとグラスとテーブルがぶつかる音もやたら大きく部屋に響いた



「何かあったら守るよ
僕も翔も絢ちゃんのこと
ね?翔?」


「ああ、それは当たり前だ」



「ありがとう」



俺は目も合わせずにそう呟いた



何もなければそれでいいんだ



でも何なんだ



この胸騒ぎは…