「疲れたなって…
どうした空?」



今日も収録や撮影が終わり
俺の部屋に3人が集まる。


不覚にもぼーっとしていた俺を見て
翔はすかさず俺の顔を覗き込んだ


「熱でもあるのか?」



そんなことを言いながら自分の右手を
俺の額に当て「熱はなさそうだな」と呟く



「うるせーよ!!触んな!」



俺はサッと翔の手を振り払うと顔を背けた



「絢ちゃんのことでしょ?」



そう言ったのは陽だった
しかし、口には出していないものの
翔にもきっと見透かされているのだろう


「お前らはどうして変に勘が鋭いんだよ。腹が立つくらいに…」



俺は大きくため息を着きながら
目の前のビールをクイッと飲み干した


「ヤケ酒は良くないぞ。」


そう言ってニヤリと笑う
そんな翔の瞳を睨んだ



「いいんじゃねー
ってかむしろ良いと思うぞこれで


俺らはアイドルじゃないんだ
それに好きに恋愛する権利くらいあるはずだろ?」



「そう、だけどよ…。」



俺は言葉を濁した


たしかに恋愛する権利はあるかもしれない
自由に恋して自由に愛し合う権利が



でもそうじゃないんだ



「怖いんだよ
和葉の件もあるからな

俺のせいでアイツが傷付いたら
そう思うと…」



そう思うと後悔さえ頭をよぎる