[なお]

はァ…はぁ…、!!やっと坂をのぼりきった。自転車をこぎ続けて15分。

やっと竜樹兄の家に着いた。

―ガチャ―

あたしは普段竜樹兄の家に入る時からインターホンを押さない。

「お邪魔しま~す。竜樹兄、お姉ちゃんいる~?!」

シーンとしていた。


竜樹兄の家は広いから仕方ないのかな?

間に合わなかったかな…。っと諦めて帰ろうとしたその時。

二階から二人の声がした。

「インターホン押さないから尚じゃね…?^^」

「尚~?今した行くから待ってて~!!」

パタパタパタパタ―――――

「尚ぉォ~…!!」

お姉ちゃんが言った。

「お姉ちゃん、ごめんね……。あたし、バック返すの忘れてて…。
 はい!!お姉ちゃんの大~~事なバック!」