「お母さん!!あたしちょっとバック届けに行ってくる!!」

あたしは決心してそういった。

「え?本当にいくの?気をつけなさいよぉ。」

お母さんは着替えて軽くメイクをしているあたしに言った。


「うん!!行ってきます。」

あたしはそう言ってバックと自転車のキーを持って家を飛び出した。



―その頃彼の家―[七海]

「ぐスッ。ほんとにごめんね~……。」

私は竜樹(りゅうき)にそう言った。


「七海。いいって。ってかバック一つの話じゃん?」竜樹は優しくそう言ってくれた。


「七海。泣くなって・・。」

そういいながら竜樹は私を抱きしめた。

「うん…。ごめんね・・。ホントに…。」


尚のせいで持ってこれなかった大切なバック。

だけど…、尚はすごく素直で可愛いいい子だから責める気は全くなかった。