本当に入って良いのか迷った。
しかし、会いたい一心で
重い扉を開けた。



ー...




え?



「なに、これ...?」



外見からは想像も出来ない
華々しい世界が中には
広がっていた。



キラキラ光るシャンデリア。
広がる甘い香水の香り。



まるでホテルの様な
受付場所。


ー...信じらんない。



「いらっしゃいませ。
 お客様当店は初めてで
 いらっしゃいますか?」



急に店員が横から出て来た。
彼もまたイケメンだ。



「あ、あ...はい。あの...」



挙動不審になったあたしを見て
店員さんはくすっと微笑んだ。


「キス屋へ、ようこそ。
 ココは、我々共が女性の願いを
 出来る限りで、何でも
 叶えてさしあげます。

 ココへ来る目的は何でも構いません。
 『彼氏と別れて暇になった』
 『誰かとしゃべりたい』
 すべて我々共は受け入れます。」


「は、あ...」