それから言い聞かせるようにゆっくりと


「いいか。
 死ぬ奴は死ぬ。
 生きられる奴は
 生きられる。
 それだけだ」


と言った。


「寿命?」

「ま、そんなとこかな。

 とにかくよ。
 突然の死なんてねぇと
 俺は思う。

 自殺にしろ
 他殺にしろ
 病死にしろ
 事故死にしろ、だ。

 生まれたときに
 死にどきってのも
 決まってんだよ」

「運命論みたいだな。
 神様なんか
 信じちゃいないくせに」


サクラがあまりにも悟りきったようなことを言うので、

アオもつい詰り口調になってしまう。

議論とまではいかないにしても、

なにかで対抗しなければ気がすまなかったのだ。


「神様なんか
 関係ねぇよ。

 運命論てのとも
 ちょっと違うな。
 
 俺のは」

「お前のは?」

「宇宙の真理だ」


瞬間、アオは吹き出していた。