「おい…巧。オマエ好きな奴いんのかよ」

僕は眉間にしわを寄せた。


「はぁ?・・・なんでそんな事?」


「俺、いるんだよな。協力してくれるか?」


生まれて初めてだった。
誰かの恋を協力することが。


だから、…少し、嬉しかったんだ。

「あぁ。いーけど。つーか誰?好きな奴って」


啓介は少し顔を赤くして、「伊東」と答えた。


「同じクラスの伊東?」


「うん。巧さ、伊東と同じ小学校だったろ?だから、
いろいろわかってんのかな、とか思って」


「わかった。協力してやるよ」

…伊東七海。
七海は玲と仲が良かったはず。

玲に情報をもらえばいいか。