あなたと
もっと
話がしたかった


あなたに
もっと
触れていたかった



ふつうに


制服を着た

あなたと
わたしで

ならんで歩いて

笑いあって

甘いキスをして

友達に
冷やかされたりして

あいあい傘で
雨の中
ときめいてみたかった





なのに



ごめんね



病気になんかなって




ごめんね






優しいあなたと
会えるのは

病室の
透明なガラスの



あっちとこっち





あなたの手も

唇も




前みたく

温かく伝わってこない





わたし

知ってるよ



あなたは

いつも

泣いたあとに

笑って

会いに来て
くれてること







そんなあなたを

ひとりにして



わたしは

もしかしたら

もうすぐ

ひとりで



旅立たなければ
なりません





こんなに
優しいあなたを



ひとり置き去りにして




わたしは



わたしは



遠い所へ

離れなければ

なりません




わたしいかない

いきたくない



絶対に



まだ

自転車の二人乗り
1回しかしてない

キスだって
片手の指で
足りるくらい



わたし

まだまだ

全身全霊で


ずっと




生きてたいたい




あなたの隣で






わたしだって
本当は

あなたが
落ち込んだら

助けてあげたいんだから



でも
できなくて

ごめんね



なんにもできなくて

ごめんね





こんなわたしを

あなたは

今日も
励ましてくれるんだね



かすかに潤んだ目で










ありがとう











心から