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 夏休みとは名ばかりで、高校三年生ともなれば夏季補習の毎日であるわけで。

 朝も早くから学校へ向かい、昼には開放される。

 この午後の暇な時間、というのがここ最近の日課には丁度いい時間であり、ある意味先生達に感謝すべきことだ。

 夏季補習のおかげで両親に定期券を買って貰えたし、そのおかげで毎日あそこへ通えるのだから。

 夏とはいえ、旧時代のような熱を振りまく太陽は見えない。

 排煙と蒸気の雲が、その陽光を遮ってしまうからだ。