今日も二人きり。

 こんなに流行っていないのに、経営は大丈夫なんだろうか。

「ぅお」

 という声が聞こえた。

 そして間を空けずにマグカップの落ちる音。

 幸いにも流しの中に落ちたようで、割れてはいないようだった。

「だ、大丈夫!?」

 彼は冷や汗を浮かべながら、ぎこちない笑顔をこちらへ向けた。

「へーきへーき。心配すんなって」