「川瀬、優衣に何にもしてないよね。」

「ええ、アンタの思ってるようなことはしてないよー」

・・・なにしたの。

誰の声かも分からないぐらい低い声だった。

川瀬は少しひるんで、でも引かないで嘲笑った。

「さぁ?」


なんでこいつこんなに楽しそうなんだよ。

暴力的なことをしていないなら・・・




『私を救ってくれた人』




優衣は、嬉しそうに、恥ずかしそうにそう言った。

・・・彼。







頭に電気が走ったような衝撃。

「川瀬、アンタ・・・!!」

「ふっ」

鼻で笑って取り巻きたちと教室をでた。