「髪、切ったんだ。」

利世が重い口を開いた。

雲ひとつ無い空の下、私たち2人。

朝の屋上初めてだった。

「うん・・・。ゴメンね。髪・・・守れなくて、ゴメン。」

いっぱいいっぱいの謝罪だった。

言葉では表せない感情が溢れ出した。

「私、もう嫌われたんだって思った。だからもう利世と喋る権利無いって・・・。」
そんな時、ある人に出会ったんだ。とても、チャラくて。
でも優しくて、強くて、髪を切ってくれてたのもその人なんだ。」

私は続けた。

「『自分を変えろ』って言ってくれた。おかげで、自分を変えれた気がするんだ。
――――――・・・無視してゴメン。私、利世が大好きだから!もう許してもらえないかもしれないけど・・・・―――。」

言葉が途切れた。

喉につっかえる。

白いコンクリートの上に雫がひとつ、ふたつ落ちた。

雨・・・?



ああ、私泣いてる。