「え?」


そいつの顔はどこまでも美しかった。

だから、腹が立つ。


「私にかまってたらアンタまで死に目にあうよ!
川瀬メイに逆らっちゃいけないの、絶対権力者なのよ!」

そいつは顔を歪めることなく、じっと私を見ている。

「川瀬メイはどうしてそんなに偉いの?どこにでもいる女子高生にしか見えないわ」

何も知らないくせに、偽善者のくせに。


「川瀬産業グループのお嬢様。
高校入学時に、高校に多額の寄付金をし高校のリーダとなる。
どこまでも計算高く、ずる賢い事で近隣の高校では有名。
さらに美人だから男受けもいいのよ。」

私は短く息を吸って続けた。


「中学時代に何があったかわからないけれど、
入学してすぐ私に目をつけていじめ始めたわ。



それだけよ」