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「優衣ちゃん、何があったか聞いていい?」


私は首を横に振った。

そう、とため息交じりの声が聞こえた。

嗚呼、痛みも感じなくなってきた。

全身がだるくて、倒れそうだ。


「どうしよう、保健室・・・」

そう言って一歩踏み出した『利世』と言う奴を、

精いっぱいの力で止めた。


「保健室はイヤ。帰る。」

「え、ちょっと!」

しがみついていた手を離し歩き出すと、

思った通り倒れこんでしまった。


「優衣ちゃん!」

『利世』の声が聴こえたとともに、意識を失った。