「兄弟だけど血はつながってねーんだよ。親が再婚してなっ」
さらに髪を力任せに引っ張られた。
目が突っ張って視界が悪かった。
「親が再婚する前から付き合ってたんだよ。別にいいだろ?」
ケイタは続けた。
「アイツ結構いい女なんだぜ?最高の体してやがるよ。」
そう言ったケイタの顔は、
理性が抑えきれなくなっている様にしか見えなかった。
「・・・お前、処女だよな」
啓太の低い声に体が震えた。
ケイタは、お前なんかとしても楽しくねーよと持っていた髪を離した。
変わりに蹴り二発がわき腹にえぐりこんできた。
小さな嗚咽とともに、血の味を感じられた。
その後、ケイタは女子トイレを出てった。
川瀬と同じ去り方だ。
それを最後に意識が途絶えた。
涙も出てこないような、満月の後の地獄。