「佐伯 優衣ちゃんって言うの?可愛いね!」

女の子は私の後をトコトコとついて来ていた。

私はいつも通り教室に向かっている。

――可愛い?私の何処が?

お世辞言うならもっとマシなこと言いなさいよ。


この子を見てるとイライラする。

知ったかぶり。

表向きは可愛いこぶって、腹ん中は真っ黒なんだ。

信じるか、こんな奴。


「優衣は心が可愛いよ。純粋だもん。」


まだ言うか。

ああ、心が墨で真っ黒に塗られてく。

醜い人間なんだ、私。

人を信じることも出来ない醜い人間になってしまった。