あの人…こと、ハンドルネーム「ヒダカ」と知り合ったのは
高校1年生の春休みの頃だった。

忘れもしない、日曜日の朝。

目覚まし代わりに使っている携帯電話が、
起床時間よりも寸分はやく枕の下で鳴った。
完全に起き抜けの不機嫌な頭を何とか作動させて
折り畳み式の携帯電話を開き、アラームを止めようとする。

その瞬間、思わず眉根を寄せてしまった。

小さな画面に表示されていたのは、アラーム機能ではなく
新着のEメールがあることを知らせる文章だったからだ。


こんな朝早くに―と言ってもニュース番組は一段落した時間帯なのだけど―一体、誰だろう。

メールマガジンの類いはまったく登録していないし、
日夜問わずメールのやり取りをするような友達も…いない。


だとすれば。


私は、「奥さまと一緒に遊びま専科」だとか「エッチなアルバイト有ります」といった
悪戯なアダルトメールの類いを頭に浮かべ、
せっかくの休日がサイテーな始まり方をしたことに不快をあらわにしながら
受信画面を開いた。


そして、目を見張った。