うごめくオームの間をぬって京子たちは駆け抜けていった。

しかし京子は小石につまづき体制をくずした。
足がふらつき誤ってオームを踏んでしまった。

「きゃあ!踏んじゃったー!」

踏んだ瞬間オームから怪しい液体が飛び出してきた。

「何!?」ビックリした京子はその液体に触ろうとした。

ジュンッ

「キャアッ」

手から白い、少量の煙がでた。
どうやら手を火傷したようだ。

オームから流れ出た液体は、強い酸性のものなのだろう。

「いたーい!」京子の手が赤く腫れた。

「この液体に触っちゃだめだ!ケガを見せてごらん」

神谷は京子の手を取った。

「これはヒドイ・・・、ちょっとしみるけどガマンしてくれ」

そう言うと神谷君は京子の手を舐め始めた。
レロレロレロ。

「いっ痛い!」

傷口がしみる。
しかし徐々に感触が快感に変わってゆく。

「ん・・ん・・んんん!!やめてっ!!!」

京子は恥ずかしくなり思わず神谷を突き飛ばしてしまった。
神谷の顔がニヤりとした・・・。

もう一つの危険が、京子に増えたのだった。

オームに阻まれながらも、二人はどんどんと進んでゆく。

傷口がうずく・・・京子の心内に、少しの変化が見られた。

二人は学校に到着した。

学校周辺は破壊されているが、それがやわらかい物のせいか、オームのせいか分からない。

「みんなどこへ行ったんだろう・・」

その時二人は背後に気配を感じて振り返った。

そこには多分やわらかいモノのせいで死んだであろう
保健所のおじさんだった。顔はビームで黒くなっていた。

「おっ!おじさん!?」

おじさんは何か二人に言いたそうだった。