「昨日襲われてた君を助けたのは僕なんだ」

それは京子が夢だと思っていた事。ビデオ屋の店員のこと。

昨日の朝京子の部屋から逃げ出した男は
京子を捕らえるために派遣されたオームの使者だった。

途中阻止しようとした神谷に破れ、
重症を負って倒れていたのを京子が見つけて手当てをした。
オームに襲われた人だと勘違いしたのだ。

他にもジェットコースターのこと。
ビバリーヒルズにはアーノルドが住んでいること。
そして京子が一番驚いたのがロスアンジェルスが
神谷の生まれ故郷じゃないということを色々と話してくれた。

「どうだい君、ロス(アンジェルス)の空気は素晴らしいだろう?」

神谷少年は、帰国子女のような口調で尋ねてきた。

「え、あ、そうね、おいしいわ」

不意を突かれた質問に、京子は口篭もりながらも答えを返した。

「昨日君は襲われて死にかけてたから人口呼吸したよ」

そういえば唇がヒリヒリする・・・。

「一体あのやわらかい物は何なの?」

一体あれは何?生き物?敵?味方?

神谷君は顔をこわばらせながらやわらかいモノの正体を語りだした。

「僕もよくは見たことがないんだ。このメガネがあればガードすることができる。」

恐れの余り、彼の顔は引き攣っていた。
よく顔をみてみると、何箇所か、傷跡のようなものが伺える。

「殺されるって?そんなに凶暴なものなの?あの、やわらか・・」

その時だった。