やわらかい物は保健所のおじさんをに襲い掛かっていた。

マンホールに逃げ込んだ京子はメガネ少年神谷に連れられ
どんどんと下水道を進む。

少年はどことなくウツロな目をしていた。
一体どこへつれていかれるのか、彼は一言も喋らない。

「おじさん・・・、私のために」

声になる、寸前の様な声、それは嗚咽まじりの叫び。

下水をさらに走ると、下水の奥に光の輪が見えた。
あの光は何?神谷と名乗る少年は構わずに走り続ける。

そして少年と共に光に飛び込んだ。
光を抜けると見たことのない光景が広がっていた。

「ここはどこ?」

京子は恐る恐る尋ねた。

「ロスアンジェルスだよ」

メガネの少年は得意気に答えた。

「そうロスアンジェルス。ここは僕の生まれ故郷さ」

もう一度言い、
メガネ少年神谷がおもむろにそのメガネを外す。

そのメガネをはずした先に、
キラキラした二重の瞳が現れた。

じっとみていると、吸い込まれそうになる。


「一体これはどういう事なの?あなたは一体?」

もう訳が分からない。
気を取り直して京子は神谷君に聞いた。
昨日から変な事ばかり起こる。

神谷はニッコリ微笑んで話し始めた。