京子は走って学校へ向っていた。
関東はオームの被害が比較的に少ないため、
普通に学校を運営している地域は多かった。

間に合うかしら!?
京子は脚力には自信があったが時間が・・・。

教室に駆け込むと同時にチャイムが鳴り、先生が入ってきた。

間に合った・・・。
京子の額に汗がにじみ出る。

汗を拭かなくちゃ・・・。
京子はハンカチを取り出そうとポケットに手を入れた。

次の瞬間京子の背中に戦慄が走る。

なんと昨日のあのやわらかい物がポケットのに。

「あ・・・あれは夢じゃなかったの?」

ここで暴れだしたら大変!
でもどうしたら・・・。

京子は恐る恐るポケットの中のやわらかい物を取り出した。

ドクン ドクン

京子の心臓の鼓動が、いつにも増して大きな音を立てている。
すると。

「ソイヤッ」

とつぜんやわらかい物が声をあげた。
教室中のみんなが京子に注目した。

「しゃ・・・しゃべった!?」

京子は驚いて教室を飛び出した。

昨日の出来事は夢じゃなかった?

振り返るとなんと!やわらかい物が追ってきている!

「ソイヤ!」

「と・・・飛べるの!?」


一方、京子がいなくなった教室では大騒ぎになっていた。
突然現れた怪物と、逃げ出した京子。

助けに行くか?いや・・・その前に。
保健所だ!保健所へ連絡するんだ!

ここは冷静に!
先生は携帯電話を取り出した。


京子は走る。やわらかい物が追う。
さらにその後ろを駆けつけた保健所のおじさんが車で走っていた。

「どうすでばいいの?でも立ち止まったらまた襲われる・・・」

そんな思いが京子の頭を駆け巡る。

次の瞬間、保健所の車が大破した。

保健所の車はやわらかい物が放ったビームによって破壊されたのだ。

ビームまで使えるなんて!怖い!

その時。

「こっちだ!」

突如物陰から現れた人に手を引かれた。

「僕の名前は神谷!くわしい事は後で話す!一緒に来てくれ!」

突然現れたメガネの少年に手を引かれて京子達はマンホールの中へ逃げ込んだ。