光の輪をくぐり中野についた。

人間達がオームに支配されているのを目の当たりにする。

「ここにお父さんが・・・」

ふと神谷を見るとブツブツと独り言を言っている。どこかに向けて
何かを発信しているようだ。

「来てしまった・・」

そして彼は一言、そうつぶやいた。

京子が、目を上空に移したその時、
巨大ななにかが地上に迫っているのが見えた。

見るとでっかいオームが地上に向かって来ている。

「あ・・あれは・・」神谷の額に汗が流れた。

「フォーーーーーーー!」突然京子が叫んだ。

京子の体が光輝いている。力が溢れてくる。

中野にやって来る事によって京子の中に眠っている本当の力が目覚めたのだ。

「そ、そんな・・!!君は・・・何故・・・!?」

「神谷君・・私思い出してきた・・・本当の私を・・・」

京子の体が光りに包まれ始めた。

それと同時に、たくさんの、世界中を蝕んでいたオーム達が、
その光に吸い込まれるように、集まってくる。

「悪い夢なの、みんな、みんな。」

京子が誰かに取り付かれたように、言葉を発する。

「キョウコーーッ!」

光に包まれた京子の姿に、遠くで義武が呼びかけた。

「義武さん!」

ゴゴゴゴゴゴ・・・

数え切れないほどのオームが京子の体を取り巻いている。

すでに京子の姿は見えない。

しかしオームの隙間からはとてつもない明るい光がもれている。

「BIG MOTHER,,,京子、その時が来てしまったか、
 やはりお前は俺の娘なんだな・・」

もはや義武のセリフのみが、この物語に意味をつける
言葉になってしまった。

やがてオームの群れが空中にまきあげられていった。

光る京子の姿は見えない、
たくさんのオームが空中へ舞っている。

その光に導かれているようにみえる。

そのまま、光のスピードになり、
光をまとった京子と、たくさんのオームたちが、

京子とともに宇宙へと消えていった。