昨日の夜は、散々だった。

一人、京子は味噌汁をすすっている。

時間は朝、7時を丁度を回ったところだった。

京子の村は1ヶ月ほど前、オームに襲われ壊滅した。
京子は村を離れ東京にやってきた。
今は八王子にある安いボロアパートで一人暮をしている。

襖の向こうでは見知らぬ男が眠っていた。

「そういえば昨日・・・」京子は男から手渡されたものを見る。

ガタガタガタッ!

「キャァッ」

突如襖の向こうで、大きな物音がした。
慌てて襖を開けると男が消えていた。

よく見ると床に置き手紙らしきものが・・・。

お前の両親のことが知りたければ、
今晩8時中野サンプラザへ来い・・・

両親?
私の両親は数年前行方不明に・・・。
あの人は私の両親の事を知ってるの?
京子は唇をかんだ。

「んん~それにしても中野サンプラザって何・・・?」

京子は東京の人間ではない。
中野サンプラザのこともよく知らない。

部屋には買ったばかりのパソコンがあった。
京子はインターネットで
中野サンプラザについて調べようとした。

もしかしたら両親の事、何か分かるかも・・・。

中野サンプラザを検索してみる。

「何?爆風スランプ?」

どうやらロックバンドのメンバーの名前らしい・・・。

「どういう事?」

ロックバンド・・・。
とりあえずビデオ屋に行くことにした。

味噌汁はちょっとだけ残ってしまったので
中野サンプラザのCDも置いてあるかもしれない。

京子は味噌汁の残りをタッパーに入れて冷蔵庫へしまった。