「副会長先輩!僕行ってきました!」



ガラリとドアを開け誰かが顔を覗かせる。まだ入ってまもない一年の書記の海里くんだ。



「おつかれさま!海里くんは、テニスだったかな?」



「はい!…これお金です!」



そう言って満面のスマイルを浮かべる。片手には、お金の入った袋を持って…



「じゃあ、海里くんのノートに書かないとね」



机に置いてある海里くん専用ノートに金額を記入する。
生徒会メンバー全員に配布されるノートには、今月一番活躍した人などが居れば金一封も夢じゃない。



生徒会顧問の先生は、密かに会長がなるんじゃないかと思ってるみたい。
それだけ会長はすごい人だ。



だけど、本人はもうあまりやる気がないようだけど…お姉ちゃんが、会長だったからまだやってるんだろうな。



あたしはそう思う。だって、たまにお姉ちゃんの写真見てるのあたしは知ってるから。



辛いなら辛いって言えば良いのに…