『すいませーん!ジントニック2つ追加で!』


加奈子が店員に言うと、直ぐにグラスが2つ運ばれてきた。


『たまきはがっつきすぎ!本当に誰が見ても解るわ。』


加奈子がたまきを上から下まで見て言った。


『ど、どこが?!』


『抜け目がない所よ。こういう所でもナンパを期待してるオーラ剥き出し。』


加奈子が他の席を見渡した。


『ま、残念な事に今日は男性だけの客は居ないわね。』


加奈子が鼻で笑った。


『だ、だって!いつ、どこで運命の出会いがあるかわからないじゃない!あたしは、いつでも受け入れられる様に体勢を整えてるの!』


『見た目からして、ワンナイトで充分ね。』


『それ、どういう意味?!』

たまきがまた唇を尖らせた。


『言葉のまんまよ。男に媚びない様にしないと、また貢がされるよ?』


たまきは両手で両耳を押さえた。


『聞きたくなーい!思い出したくなーい!!』





加奈子は笑いながらグラスを手に取って飲み干した。