『加奈子。俺は加奈子の事が好きだ。今すぐにとは言わない。加奈子にはずっと俺の側に居て欲しいんだ。』


健太郎の言葉に加奈子が顔を上げた。


『え…?…私はただの浮気相手じゃないの?』


消え入りそうな声を振り絞った小声で加奈子は言った。



『俺は加奈子が好きなの!しかも、浮気相手とか思ってなかったし!俺は…確かに彼女って人と別れられないままズルズルしてて、加奈子とも会ってたけど…気持ちは加奈子にあった。』

加奈子はまた自分の膝を見つめた。


『でも、正式には今日別れたんでしょう?』


『うん。』


『だから今日付き合うって縁起悪いじゃない…私が取ったみたいな…』


『加奈子……』


健太郎は加奈子の手を取って、加奈子の正面に膝を付き、座った。


『日付は変わってる!!俺の彼女になってください!』

健太郎が笑顔で加奈子に言うと加奈子は顔を上げて、時計を見て笑った。


『そういう問題か…(笑)宜しくお願いします。』


『っ!!?』


健太郎は勢いで加奈子に抱きついた。


『痛いっ!もぉー!!』


文句を言いながらも健太郎の腰に手を回して加奈子は安堵した。





二人の想いがやっと交わった。