『あれ〜!?横溝さん?!』
自室へ入るとリビングでテレビを見て寛いでいるたまきが声を上げた。
『たまきちゃん。昨日振り!』
『どうしちゃったんですかぁ??』
『ちょっと…抜歯後で麻酔が切れちゃってね。』
頬を擦りながら健太郎が答えると加奈子がキッチンから出てきて、ビニール袋に氷水を入れて持ってきた。
『はい。これ当てて、あっちにゲストルームがあるからソファーで休んでて下さい。』
健太郎は加奈子の言う通りにゲストルームへと入って行った。
『ねー、ねー。あたし、帰った方が良い??』
たまきが頬を緩めて小声で加奈子に詰め寄った。
『え?何で?どうせお昼もまだでしょ?作ったげる。』
加奈子は豹々とした態度でキッチンへと入った。
『な〜んだ!期待ハズレ?』
笑ながらキッチンと対面しているカウンターの椅子に座ったたまきが唇を尖らした。
『そーよ。残念ね。』
加奈子は微笑みガス台のスイッチを入れた。