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翌日、二日酔いで寝起きが悪いたまきを自室に残し、加奈子は勤めている歯科医院へと向かっていた。
支度を済ませ、受け付けに顔をだすと待合室には既に健太郎の姿があった。
『横溝さん。おはようございます。中へどうぞ。』
『は、はい!!』
健太郎は元気良く診察室へと向かう。
レントゲンを撮り終えて加奈子が口内を診て頷いた。
『抜歯出来ますね。それじゃぁ、麻酔を打ちますね。』
加奈子は小さな注射器を手にして笑顔で健太郎に言った。
『お、お手柔らかに…』
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無事、親知らずを抜き、加奈子と健太郎は歯医者近くのカフェに居た。
『麻酔でほっぺが変だなぁ…』
健太郎は右頬を擦りながら言った。
『昨日言いたかったのに、帰ってしまったからですよ!抜歯後は麻酔が切れるまで感覚はないし、麻酔が切れたら痛みと不快感に陥るから出掛けてる暇なんてないんですよ!!』
加奈子が捲し立てると健太郎は眉間にシワを寄せた。
『だって、加奈子さんと出掛けたかったし…』
『まぁ、良いですけど…でも!!痛みが出たら言って下さいね。』
『わかりました。』
健太郎は笑顔を見せてハニカンだ。