「俺のこと好きなら、待ってろ。いいな?」
後悔だけはしたくない。
敷かれたレールの上を歩む人生も悪くはないが、俺はレールからはみ出した。
もう戻ることはできない。
荒れ果てた道かも知れないが、君となら……
笑っていられる気がするんだ。
「待っていてもいいなら、待ってます」
待ってますと言ってくれた。
俺は抱き寄せて、頬にキスをした。
それ以上のことはできなかった。
ただそっと頬にキスをして、心に誓った。
いつか絶対に結婚すると。
俺を受け入れてくれたこの平野香織という女性を俺の手で幸せにしようと。