瀬名仁ノ介。


俺の名前。




俺の愛する人の名前は香織。




死ぬまでずっと

変わらない。




俺の名前や生年月日が変わらないように


俺の愛する人も変わらない。





香織がいなくなった診察室。



俺はデスクの上の卓上カレンダーに、ピンクのペンで丸印をつける。





香織に会えた日のマーク。



いつかこのカレンダーが、全部ピンクになる日が来る。