「仁、あなたの好きになった人ってこの人なのね」
私は、3人の視線を一気に浴びた。
目を丸くする3人。
これがドラマなら、私が香織さんの頬をぶん殴ったりするのかな。
「どうも……初めまして。瀬名先生の現在の彼女です」
仁が天然なら、この彼女も天然?
婚約破棄された元彼女に対して、現在の彼女です、と自己紹介してきた。
怒りも吹き飛ぶ。
もう笑っちゃうくらい。
好きにしてって思ったんだ。
2人が愛し合っていて、幸せならもう私の出る幕はない。
そんな気持ちになりそうになった。
でも……
仁の表情を見たとき、私のプライドが燃え盛るのを感じた。