合コンで会った女子大生も、

取引先の美人受付嬢も、



こんな俺を知らない。




かっこつけて、甘い言葉を囁く姿しか知らない。




本当の俺は

かっこわるくて、弱くて、自分に甘いダメ男。




香織しか理解してくれねぇんだよ。




俺は香織に甘えすぎていた。





「香織…… 愛してるから」




もう、俺の『愛してる』も通用しない。




俺は、香織と過ごした数年間を振り返りながら、

携帯電話に登録されている一夜だけの女達の番号を消去した。