ホワイトデーから数日後、俺は香織のマンションへ行ったんだ。


会いたいのか、

話したいのか、

何がしたいのか自分でもわからなかったが。




気付いたら、香織のマンションへ向かっていた。


ベランダに干された男物の下着を見て、そのまま家に帰った。





何度かそんなストーカー的行動をしてしまい、ますます自分に自信がなくなる。





俺は香織の為に買った時計を捨てた。


持っていても辛いだけだった。




だんだん自分という人間がわからなくなり、勇気が出せないまま、時間だけが過ぎた。





香織に連絡することなんてできるわけがないくらい弱い男になっていた。