「それは何かの間違いです。彼女は僕と……」
「邪魔しないでください。香織先輩苦しんでいるんです。お願いですから身を引いてください。香織先輩の幸せを奪わないでください」
さすがの俺もへこむ。
あまりにも嬉しそうに微笑む香織の写真を見せられた。
隣に写っている男……
もう愛情がなくなったと言っていた同居している男。
「どうしても彼女と話がしたい。ここへ明日来るように言ってもらえないか?」
会いたい。
会えば真実がわかる
「何かあれば私から連絡しますので連絡先教えてください」
俺は、香織の後輩だというこの女性に、携帯番号とメールアドレスを書いた紙を渡した。
信じていたはずなのに、こんなにもささいなことで不安になってしまうなんて。
1ヶ月間、会っていない。
その間に、香織の気持ちに変化があったと言うのか。