ある夜。
深夜の1時になろうとしていた。
「本当にいいんだな?」
俺の部屋。
ベッドの上。
真っ暗な部屋の中で、かすかに見える恵理の顔。
俺をじっと見つめた後、恵理は目を閉じて俺を受け入れた。
酔った勢いだと言われる状況だったけれど、俺の心境は違った。
酔ってはいたが、しっかりと考えることもできたし、愛情がそこにしっかりとあることを確認していた。
俺は、いつの間にか恵理を必要だと思うようになっていた。
そばにいて欲しいと思うようになった。
それが、『好き』という感情なんだとはっきりと言い切れるわけではなかったんだけど。
香織の時とは違う。
俺のものにしたいとか、付き合いたいとか強く思うわけではなく、
しみじみと感じると言うか……
ずっとこうしていられるといいなぁとふと思うことがある。
これが『好き』って感情なのだとしたら、
こういう『好き』は初めてかも知れない。