「俺んち、泊まってくかぁ?」





酔った勢いで恵理を誘ってみる。




本気で恵理と寝る気なんてない。




厄介なことになるのは目に見えている。




冗談で言ったのに、恵理は本気で怒り出し、店を飛び出した。





「悪かった。ごめん。冗談だよ」




腕を掴むと、恵理は涙目で俺をにらんだ。




「どうしたんだよ。悪かったって」




「もういいです!!タクシーで帰りますから」




俺の言いなりだったはずの恵理が、俺を店に残して去って行った。