トントン拍子で仁との結婚話が進んだのも、80%は父親のおせっかいのせいだ。 仁も私も、特に乗り気じゃなかったような気がしてくるから不思議だ。 確かに気が合ったし、デートは楽しかった。 情熱的なキスも、 高級ホテルでの夜も… 満足だったけど。 『この人じゃないとだめ』とは思わなかった。 仁も同じように思ってる。 そのことをお互いに何となく気付きながら、静かに結婚式へと歩いている。 不思議なふたり。