「姫様、朝でございます」



ひのとの声で目が覚める



私が手探りで探しても、そこにはもう誰もいない



「昨日もあのお方がいらしていたんですか?」



ひのとはずっと前から気づいていた



「ええ。あの方は、私の目を治したいようで…」



「まあ、素晴らしい」



ひのとが隣に座り、着物を替えてくれる



「先日、少しでしたがあの方のお姿を月明かりの下でお見かけいたしました」



「まあ、ホント?」



「はい。あのお姿は、何処かの大棚のお侍様ですわ。素晴らしい鎧を着てらして…
何より一瞬でしたがお美しいお顔立ちでした」



「まあ、お侍様?」



確かに、触った先には甲冑のようなものが…



「お歳は?」



「…姫様と同じくらいでしょうか?」



ひのとが悩んでいた