真夜中になると、私の離れに現れる



「おまえさま?」



「姫…お身体は如何ですか?」



何処からともなく部屋に現れては、私の側に座る



「おまえさまのおかげか、大分楽になりました…」



私が手を伸ばすと、その手を優しく包みこんでくれる…



その手はいつもひんやり冷たい…



「姫…、今日は木の実を探して持って参りました…どうか…」



「おまえさまのためなら…」



指に置かれた固い小さな実を、ゆっくり口に運んで水を飲んだ