香澄の気持ちが、
痛いほど分かってきた。

香澄は自分の事より、
親父や会社の事を考えている。

いや俺以上に、
考えた人間である。

俺は今こんな状態で
香澄を抱けるか?

俺は今香澄を抱くと、
一生後悔する。

俺を忘れるために、
香澄は言っている。

仮に香澄を抱いても、
俺は麗子と結婚はしない。

いや絶対にしたくない。
お互いに譲れない気持ちに
困っている。

・太郎サイド終わり・