家に帰ってきたら、
母親が夕飯の支度をしていた。

「太郎。
今日教室に麗子さんが
やってきたの。」

「えぇ。ウソだろう?
何でやってきた。
香澄は知っているのか?」

「ええ。
香澄ちゃんに私は太郎の
婚約者なのよって言ってきた。

私たちのせいで引き離されたと
いってきたわ。
もちろん反論はしたけど。

香澄ちゃんの頬を叩いて言った。

あなたが現われたから太郎が
私とやり直すのを止めたと。」

「はあ?
冗談じゃない!!
麗子は結婚なんて考えもない。

麗子のオヤジが、
圧力を掛けてきたから
仕方なく付き合って
いただけなのに。」

「ええ。
あなたが香澄ちゃんに
対する思いを知ってるわ。」

「大変だ!!
香澄ちゃんが家を出た。
置き手紙を残している。」と

オヤジが血相を変えてやってきた。