「香澄ちゃん大丈夫?
麗子さんのいうことは
気にしないで。」

明子さんに言ってる言葉が
私の耳に入ってこない。

太郎に婚約者がいる・・。

明子さんと家に帰って
私は手紙を書いた。

そして明子さんが買い物に
出かけたのを見計らって、
私は家を出た。

もう帰って来れない家。

今初めて気づいた私の気持ち。

私は行く当てもない。
ただ歩いて行くしかなかった。