「先生のお母さんには言ったの?」

「言えない。」

「先生のお母さんに言ったら?
香澄にとってお母さんだよ。
これからもずっと。
先生と結婚したら
余計に頼る存在に、
なるんじゃないの?」

「そうだね。
言いたいけど、
何だか言えない自分がいる。」

「もうすぐ新学期が始まるけど
先生はどうなるの?
教頭にバレたんじゃないの?
大丈夫?」

「大丈夫。
片岡さんがちゃんと
言ってくれたの校長先生に。
先生は続けられる事になった。」

「良かった。
先生寂しいかもね。
香澄がいなかったら、
いじめられないからね。
香澄も喜んでいるしね。」

「ちょっと。
私は喜んでいる?
冗談じゃないわよ。
あんな先生嫌い!!」