・太郎サイド・

あれから教頭は何も言ってこない。
明日から春休み。

休みの間は母親の手伝いをするから
香澄には危険が及ばないと
皆が確信していた
矢先の出来事だった。

ある電話で悪夢に陥った。

学校が終わり、
家に帰ると騒がしかった。

「大変よ。
香澄ちゃんが帰ってこなの。
友達にも連絡を入れたけど
いないって。
どこに行ったのかしら。」と

母親がオロオロしていると
電話が鳴った。

電話と取ると声の主は麗子だった。