・太郎サイド・

俺は用事で出て行っていた。

香澄はお墓参りと山根に会うと
言っていたので迎えに行こうと
思っていた。

実は指輪を買いに行った。

携帯を掛けると家の近くまで
帰っていた。

仕方なくガレージの前で
待っていろと。
直ぐに帰って香澄を車に乗せた。

1時間ほど走ったところに
海がある。

俺は香澄の手を握った。

香澄の手は、
まだ包帯を巻いていた。

真っ黒な海とまん丸のお月様。

俺は香澄に話をした。

「香澄。

俺は確かに跡取り。
今は先生をしている。
いずれ止めないといけない。

俺が跡を継いでも傍にいてくれる?
俺の横には香澄しかダメなんだ。
香澄俺と結婚して欲しい」

俺は香澄にプロポーズをした。