車から降りると太郎が、
手を握ってきた。

まだ包帯を巻いている手を
優しく持ってくれた。

もう真っ暗な海。

誰もいない海って静か。

波音しか聞こえないので新鮮。

初めてだったので、
嬉しかった。

夜空を見上げると、
まん丸なお月様しかなかった。
お月様を見上げていた。

私に太郎は話をしてきた。

「香澄。俺は確かに跡取り。

今は学校の先生をしている。
いずれは止めないといけない。

俺が跡を継いでも傍にいてくれる?

俺の横には香澄しかダメなんだ。
香澄俺と結婚して欲しい。」と

太郎からプロポーズをされた。